Episode3.2:スタートダッシュ生産性を高める
Episode3.2:爆速スタート 生産性を高める
前回のエントリ(前回の記事 爆速スタート Episode3.1 生産性を高める)に引き続き、生産性の向上に向けて書いていきます。
生産性を正しく定義するところから。Wikipediaによる生産性の定義はこう。「経済学で生産活動に対する生産要素(労働・資本など)の寄与度、あるいは、資源から付加価値を産み出す際の効率の程度のことを指す。
一定の資源からどれだけ多くの付加価値を産み出せるかという測定法と、一定の付加価値をどれだけ少ない資源で産み出せるかという測定法が在る。」
これを自分ごととして解釈します。「私という人間がどれだけ少ない時間とコストで、インパクトが大きく、価値が高い仕事ができるか。」
以前の私の考え方と比較してみてもズレがあるのがわかります。
”時間という有限の資源を使って、より多くのことをこなす”というざっくりとした定義であれば、似ているようにも思えますが、一段掘り下げて解釈してみると大きく違います。
これまで考えて来た生産性の高い仕事とは、”できるだけそのことに当てられる時間を工夫して多く捻出し、なおかつ自分の作業スピードも高め、たくさんのことをこなすか。”というものだったので、”少ない時間とコストで”という部分からも微妙に違っています。また、インパクトが大きく、価値が高い仕事という部分も、以前の私だと、アウトプットの質には言及せず、”たくさんの作業をこなせること”としていたので、ズレがありますね。
ここで思います。私が考えて来た生産性は「単純労働を意味するときの生産性」だったのではないでしょうか。
単純労働は今や人間の仕事ではありません。つまり、私のガムシャラメソッドは人間の潜在能力を高めることで実現するものではなく、ロボット化を夢見るようなものだったのです。
私が人間として、インパクトがあり、価値の高い仕事をするためには、どんなことに気をつければ良いでしょうか。
ここで紹介するのはボスからぜひ読むようにとすすめられた課題図書、安宅 和人さん著の「イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」」です。
この本では、「生産性の高い働き方とはなにか。」についての根本的な考え方やその具体的な手順が書かれています。
生産性の高い仕事をするということを重要なテーマとして捉えている方にはぜひおすすめしたいです。
いわゆる「読みやすさ全開の本」ではありませんが、一つ一つ自分の身に起こっているシーンを想像しながら、反復して読み込むべき本として適しています。
特に印象的なポイントは二つ。
一つは、手を動かす前に取り組むべき根本課題とは何かを深く考える(=イシューを見極める)」べきだということ。
私はよくやっていたのですが、新規事業に取り組むとき、新たな仕事を渡されたとき、売上に伸び悩んでいるとき、「とりあえずヒアリングしまくる」「とりあえず関連資料を片っ端から読んでみる」というとりあえず駆け出す行為。。。そして課題と思しきものを思いつく限りリストアプして、Todoリストに放り込み、手っ取り早く始められそうなものから潰しにかかる。まず先に手を動かして安心するやつです。
でも、良く考えずに始めた作業は結局、手戻りや無駄な作業が多いです。
もう一つは、かつて私が正しいとしていたようなガムシャラメソッドはここでは絶対に陥るべきではない『犬の道』である、ということ。
体力ばかり消耗する一方で、全てが中途半端に終わり、何も生み出さないということです。
著者の安宅さんは、外資系コンサル企業で経営コンサルタントとして働いた後、脳科学研究者として研究活動をされていたという少し変わったバックグラウンドの持ち主。
なので、この本もビジネスの現場だけでなく、以外にも研究論文を書く際のノウハウ本としても活用できそうです。
・人間として仕事をするからには、「課題を解決する」ための仕事をすべきであって、それは作業ではなくて頭を使って考えること。
・一度にたくさんのことをやろうと頑張るのではなく、本当に解くべき課題にフォーカスして、そこに全力を注ぎ込むことが重要なこと。
を教えられました。世間ではよく「すぐにアクション!」「やりながら考えろ!」と、スピードこそ命という意見を良く耳にしますが、それを鵜呑みにするのではなくて、何が根本の課題なのかを考えてみて、吟味して取り組むことも意識したいと思います。
余裕があるときに、安宅さんが書かれている個人ブログ「ニューロサイエンスとマーケティングの間」も読んでみたいな^^
http://d.hatena.ne.jp/kaz_ataka/
▶イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」 by 安宅 和人さん